<前回のお話>
色々あって犬猫保護団体の譲渡会にきたよ!
前編はこちら↓
保護団体にて
猫さんの生い立ち
猫譲渡会場のお部屋に案内される前にこんなことを言われました。
先週熊本から来た仔猫姉妹がいるんですよ。
気が立っててね〜
人に懐かなくてフーッって威嚇ばかりしてるから、今日まだ無理かもしれない
えっ!熊本から?
遠くから来るんですね…!
7月に熊本で大雨あったでしょ。
水俣水害の被災猫でね。
熊本から東京行きの飛行機利用する人が荷物として運んでくれるの。
そういうボランティアがあるんですよ〜
そんなボランティアもあるんだ〜!
飛行機で荷物として動物を運ぶボランティアを「バケボラ」(=バッゲージ(荷物)ボランティア)さんというそうです。
2020年の熊本豪雨災害は記憶に新しく、何より夫が熊本出身なのでした。
実家や親戚は幸い災害に遭わずに済んだのですが、その時の被災猫とは…!
かわいい子猫!
さて、順番待ちの間そんな会話がありつつ猫のお部屋に行くと、確かに1つのペットキャリーにキジ白と黒猫の2匹の仔猫がいました。
威嚇する…と聞いていたので、恐る恐る覗き込みましたが、特に威嚇はなく、私をまっすぐ見つめ返してきます。
あれ..なんか大丈夫そうだなぁ?
ちょっと触ってみます??
スタッフの方がケージのドアを開けると、先に出てきたのはキジ白の子でした。
まっすぐに、しゃがんでる私の足元にきました。
思わず頭を撫でると、心地良さそうでした。
わ!すごい!!
誰にも懐かなかったのに…!
めっちゃ気に入られてますね!
わわわ!なんなんだ…このかわいさは!?!?
上目遣いにすごい見てくる!
キジ白ちゃんは私から離れようとしません。
ほんとにすごい〜〜〜!
これ運命じゃないですか!?
団体の方は私をノセようとしてる…?とも思いましたが、この仔猫が私を気に入ったのは間違いないように思いました。
なんだかドキドキしてきました…!
あ、ところでこの猫に限りなんですけど、引き取りは2匹セットでお願いしますね!
ファ!?
初心者でも大丈夫?
私、ペット初心者です。
仔猫を触るのもこわごわです。
1匹でもちゃんとお世話できるか心配なのに、いきなり2匹ですと!?
2匹の方が育てやすいですよ〜2匹で遊んでくれるから!
大丈夫 大丈夫♪♪
熊本から一緒にきた2匹の姉妹を引き離すのはかわいそう、という配慮だったのでしょう。
でも私は1匹しかイメージしてなかったので戸惑いました。
キジ白の子が出てきた時に(おそらく逃亡防止で)一旦ドアをしめて、ケージの中には黒猫ちゃんがひとり残っていました。
団体の方がドアを開け、キジ白ちゃんをケージに戻すと、今度は黒猫ちゃんが出てきました。
黒猫ちゃんもゆっくり私に近づいてきました。
キジ白ちゃんに比べると慎重な性格のように思いましたが、さっきキジ白と私が仲良くしていたのを見たからか、私には警戒を解いているようでした。
2匹か…
大変かもしれないけど、姉妹を引き離すのは確かに可哀想…!
どうします?
まずはトライアル2週間です!
連れて帰りますか?
あ、もう早速今日連れて帰るんだ!?
だ、大丈夫かなぁ?
トライアルって言っても2週間も預かったらもう返すなんてよっぽどだよ…!
家族も驚くよね…?💦
ちょっと家族に確認とってみても良いですか?
日曜でしたが夫はゴルフ、息子はバイトと塾にそれぞれ出かけてました。
電話しづらかったので家族LINEトークに了解を得て写真を添えて伺いを立ててみたけど、すぐに返信があるわけではありません。
あの…今決めなかったらどうなりますかね?
少し考えてからとかはダメです…よね?
縁ですからね…!
次に順番待ちの方もいますし、その方が先に決めればそちらになりますね。
次に順番待ってたご夫婦…
こんな可愛い猫ちゃん見たら連れて帰っちゃうかも…っ!
家族LINEの返信は長男からの「僕はいいよー」のひとつだけでしたが、もう決めるしかありませんでした…!
トライアルとマッチング
誓約書
トライアル2週間と書きましたが正確には「トライアル1週間+マッチング1週間」だそうです。
以下のような誓約書(抜粋)を交わしました
・家庭訪問を行い、飼育環境を確認する ・トライアル期間は2週間(ただし正式譲渡を約束するものではない) ・ケージ、首輪は貸し出し。フードはそれまで食べていたものを用意 ・1週目マッチング、2週目トライアル(マッチングが合わなければ即引き上げ) ・マッチングで問題なければ2週目正式トライアルに入る ・トライアル期間であっても状況によって、団体の判断で終了することがある ・様子を毎日LINE@で報告すること ・正式譲渡はスタッフ全員の総意で判断 <譲渡になった場合> ・保護にかかった費用の一部を負担すること ・完全室内飼育・生後半年後の避妊去勢 ect
すぐ飼育できるように道具は貸し出ししてくれました。
それだけの荷物(猫も含めて)を手渡しされるわけではなく、団体の方が後で車で運んで下さるとのことでした。
私たち家族がうまくやっていけるか。
家族に猫アレルギーはないか?
猫にとって我が家はどうなのか?
色々考えてドキドキしながら帰路につきました。
家庭訪問 兼 ケージの設置
帰宅後しばらくして団体の方が荷物と猫を連れてきました。
手慣れた様子で3段ケージを組み立ててくれました。
ハンモックと階段がわりの爪研ぎ付き。
トイレと猫砂も持ってきてくれました。
そうこうしている間に次男が塾から帰宅。
確か受験生でしたよね?高3ですか?
中学校どちらでした??
話してみるとその方の娘さんが次男の中学校の同級生でした!
同じクラスになったこともあるみたいです。
そんな縁もあって和やかに進み、”家庭訪問”はどうやら審査通過したみたいでした。
家族との相性
その後の猫ちゃんたちは…
ケージの扉を開けるとゆっくりと出てきて室内を物珍しそうに見てました。
きじ白ちゃんはなぜか私を信頼しているようで最初から私に身を寄せてきました。
家族が帰ってくると、最初は驚いてソファの下や冷蔵庫横の隙間に潜り込んでいましたが、1〜2日くらい経つとすっかり慣れたようでした。
夫はというと
こっちおいで〜〜ほらほら〜〜
にゃお〜〜ん♪
それこそ猫撫で声で誘う始末。
同じ熊本出身なのも嬉しかったかもしれません。
(夫の熊本弁も猫ちゃんは理解してるかも?)
”猫ってちょっと怖い”と言っていた次男は
全然可愛くない〜
と言いつつ、ずっと猫じゃらしで猫と遊び、こっそりスマホでパシャパシャと猫を撮っています。
スマホの待ち受けやLINEのアイコンも猫になってました。
大好きやん🤣
鼻の悪い長男のアレルギーが心配でしたが、猫アレルギーはなさそうでした。
バイト帰りが深夜になりましたがその日のうちにはお腹に乗ってました。
結局初めて会った日から今日まで、この猫ちゃんたちが私たち家族に
「フーッ」と威嚇することは一度もありませんでした。
名前を決めよう
熊本にいた時の保護団体さんがつけてくれていた名前があったのですが
どうせ本人たちは名前認識できてないし、好きな名前つけてあげて下さいね〜
と言われてました。
とても可愛い名前だったのですが、知人の娘さんと同じ名前だったこともあり、折角なので家族で決めることに。
ところが、なかなかこれといった名前の案が出ません。
そうこうしている内に、家族が黒猫ちゃんを呼ぶとき
「クロ!」とか
「クロちゃん!」とか呼んでいることに気づきました。
ク…クロちゃんはいやだ!!!!
息子の先輩芸人さんを悪くいうつもりはありませんが同じ名前だけは嫌です><
(※某大サーカスの団員さんです)
早く決めなければ定着してしまう!
クロ、じゃなくて…
「ロク」にしよう!!
慌ててつけた名前がロク、でした。
この案は家族に採用され、もう1匹は
「ロク」の次だから「ナナ」…かなぁ?
安直に決まってしまいました。
あれ???
と思われた方いらっしゃいますか?
そうです。私のHN「なな」は愛猫の名前からきています。
(後から考えたら、猫の話をする時ややこしいですよね^^;)
私のことは「なな」猫の名前は「ナナ」と表記することにします。
(どうでもいいですね…すみません⭐︎)
正式譲渡へ
さて、猫と触れ合う1日1日を大切にしながら2週間が経ち、もう手放すことなど微塵も考えてはいませんでした。
頂いていたキャットフードも猫砂も途中で足りなくなってしまったので、あれこれ相談しながら選んで買いました。
お借りした備品も全て返すので、必要なものを新しく購入しました。
とはいえ、2週間後再び団体を訪れた時には緊張しました。
「飼い主として失格!」なんてことにはならないか…?
キャリーはハードタイプをひとつ備えておくと安心です!
猫ちゃんは爪も牙も鋭いので布製やチャックで閉めるものは耐久性が心配です。
(逃げて迷子になると生死に関わります)
通院や移動時に必要なのはもちろんですが、急な災害で避難する時、逃亡を防ぐ時などに備え、丈夫なキャリーを必ず用意しておきましょう。
ダブルドア(上部にもドアがある)が診察時などもとても便利です。
団体にて手続き
そんな心配も杞憂に終わり、譲渡の手続きは穏やかにすんなりと行われました。
猫の様子は毎日LINE@で報告していたし、特に問題はないと判断されていたようでした。
保護団体、と書きましたが、こちらの団体は動物病院が主体となって活動されている団体です。
レボリューション(虫予防)しておきましょうね
そう言って別室(診察室)に猫を1匹ずつ連れていくと
ギャアアアア!!ヴーー!!ヴーーーー!!!
聞いたこともない激しい奇声が…!
え…!?これまさかうちの子???
聞いたことない声だぞ💦
やがて全身の毛を逆立てて威嚇しまくる猫が帰ってきました。
こんなに威嚇してたんだ…^^;
猫ちゃんたちは私の姿を見ると落ち着きを取り戻しましたが、以後この病院に来るたびに激しい拒否反応を起こす姿を目にすることになります…☆
譲渡誓約書
さて、正式譲渡にあたり誓約書を交わしました。以下抜粋です。
- 生後半年以内に必ず避妊・去勢手術を行う(譲渡時に手術日を決め必ず守る)
- 生涯室内飼育とし、決して屋外で飼育することのないよう、ベランダ・庭を含めて管理に十分注意する
- 住所に変更あれば速やかに連絡する
- 万が一、脱走等により行方不明となった場合には速やかに連絡する
- 診察が必要な場合には速やかに当病院もしくはかかりつけ医に連れていく
- やむを得ず、継続飼育が不可能となった場合には速やかに連絡し、一旦犬猫を返還する
- 犬猫を常に清潔に保ち、病気等を防ぐよう努力する
- 老齢期には、家族全員で協力し老衰で旅立つ日まで介護ケアを行う
- 老齢期には、医療費等出費があることを了承する
- あらゆる持病も受け止め治療する
- いつ何時持病発症があるかもしれないことを家族全員が理解する
- 家庭訪問により誓約違反が明らかになった場合には犬猫の返還に必ず応じる
- 上記事項に違反していない場合でも、飼育環境が不適当と当団体が判断した場合には、飼育経過年数に関わらず犬猫の返還要求に応じる
- 譲渡後1ヶ月経過後に発症した持病については当団体に費用の請求など一切しない
なおこの団体の譲渡条件は以下の通りです。
- 生涯室内飼育
- 生後半年での避妊去勢
- 犬は登録&ワクチン接種、ノミダニ予防、フィラリア予防薬の定期的投薬
- 横浜市内近郊のペット可住宅
- 同棲中でない
- 家族が高齢者のみでない
- 60歳以上の申込みは親族の保証人が必要
- 未成年でない
- 乳幼児がいない
- 先住犬猫の避妊去勢手術が終わっていること
- かかる費用に金銭的覚悟があること
- 散歩やしつけなどの時間的精神的余裕があること
- 時々近況連絡をすること
- 生涯家族として犬猫を守ること
このような条件や誓約書は各団体によっても違いはあると思いますが、ご参考までに。
引取りの費用
参考までに引取り時の費用について私の場合です。(生後3〜4ヶ月の子猫)
引取り費用は18,000円×2匹で36,000円
+レボリューション投薬2,200円×2で4,400円でした。
引取り費用の内訳は熊本の病院で打ってもらったワクチン等で、この団体が引き取る際に熊本の団体に支払っているそうです。
まだ幼いので避妊手術やマイクロチップ装着はしていません。
(マイクロチップの装着は麻酔を伴うので避妊手術と同時に行うのが通例です)
正確な内訳は残っていないのですが、寄付として数千円を余分に支払ったと記憶しています。
後日避妊手術(1泊)とマイクロチップ装着をしました。
かかった費用は27,940円×2匹=55,880円
(更に協会へのマイクロチップ登録料が1,000円×2匹 かかります)
譲渡時に避妊去勢手術やマイクロチップ装着が済んでいれば、譲渡費用に上乗せされることになると思います。
※費用は私の体験であり、あくまで一例です。
各団体により算出方法等違うと思いますので、正確な額は当該の施設の方にお尋ねください。
保護猫を家族に
私の家族と保護猫たちが家族になるまでを前後編に分けてお話ししました。
保護団体から譲り受ける時の流れは必ずしもこのような手順ではないと思いますが、参考になれば嬉しいです。
たくさんの出会いがありますように…!
さて、夫の実家の比較的近くで保護された猫ちゃんたちと、遠い横浜で家族になれたことはそれだけでも奇跡のような出会いでしたが、このストーリーには実はまだ続きがあります。